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コラム

ポイントカードのポイントやマイレージは相続財産?

22.06.23
ポイントカードのポイントやマイレージは相続財産?

相続が発生した場合、ポイントカードのポイントやマイレージのマイルはどうなるのでしょうか?

被相続人の遺品整理をしていたら、ポイントやマイルが大量に貯まっていた、ということもあるでしょう。そんな時、ポイントやマイレージは相続財産の対象になるのでしょうか?

今回は相続におけるポイントカードのポイントやマイレージについてご紹介します。

Contents
ポイントの取り扱いについてまずは利用規約を確認してください
大量のポイントが溜まっている場合はどうする?
マイレージサービスのマイルは条件次第で相続できる
【重要】ポイントカード・クレジットカードが被相続人の財産存在の手がかりになる場合も
まとめ

ポイントの取り扱いについてまずは利用規約を確認してください

各ポイントカードの利用規約において、死亡した会員資格の取り扱いについて定められています。利用規約では、死亡時にポイント失効となる場合が多く、その場合原則として、ポイントの譲渡は認められません。

これは民法「相続人は、相続開始の時から、被相続人の財産に属した一切の権利義務を継承する。ただし、被相続人の一身に専属したものは、この限りではない。」(民法第896条)という規定に基づくためです。ポイントは、「当該個人がそのポイントプログラムの会員である」という資格によって受けられるサービスのため、「被相続人の一身に属したもの」に該当します。従って、法律的には相続の対象にはなり得ません。

しかし、あくまでも「法律上」であるため、実際には各社が独自の規約で家族間のポイントの統合や引継ぎを認めている場合もあります。念のため利用規約の家族とのポイント共有について確認してみましょう。

大量のポイントが溜まっている場合はどうする?

ここでは大量のポイントがたまっている場合に対処法や、家族間で共有できるお得なポイントカードをご紹介します。

1.生前に使い切る

大量のポイントを無駄にしないためには、生前に使い切ることが推奨されています。
「そんなことを言われても、死ぬ時期なんかわからない。」という方がほとんどでしょう。しかし、大量のポイントを貯め続けても、利子がつくわけではなく、実際の買い物で使わなければ、あまり意味がないです。ですから単純に使い切るのがベストです。

2.生前にポイントで物を購入し、相続財産とする

相続財産の定義は、「相続税のかかる財産」と「相続税のかからない財産」の2種類に分かれます。前者は、現金・有価証券・宝石・土地・著作権等の権利がこれに該当します。後者は、墓地・仏具・生命保険や退職手当等で一定の条件を満たすもの・損害賠償金等が該当します。

ポイントが大量に貯まっていれば、大きなものを購入して残したいという気持ちもあるかもしれませんが、購入するなら「相続税がかからない財産」にしましょう。日用品や消耗品、食べ物等の、残された人が喜ぶものをおすすめします。ポイントによっては、高額なものを購入できる場合もありますが、相続税がかからないか、予め調べてください。

3.ポイントカードによっては家族間共有ができる

一般に、ポイントカードは登録者本人しか使えませんが、中には、家族間で共有できるものもあります。例として、家電量販店や大手鉄道会社、大手通信販売会社等があげられます。家族間で共有できるカードは、一般的に「家族カード」と呼ばれています。

4.貯めたまま亡くなってしまった場合は諦める

家族カードを発行する前に、ある日突然亡くなってしまう場合もあります。その際は、他の手続きとの兼ね合いも考え、あきらめることも必要です。

クレジットカード機能なしのポイントカードであれば、多くても数千円程度ですが、クレジット機能ありのポイントカードの場合、貯まったポイントは数十万円にのぼる可能性もあります。その場合は念のため問合せし、それでもポイントの利用が認められなければ、残念ですが諦めなければなりません。

マイレージサービスのマイルは条件次第で相続できる

大手航空会社のポイントサービスである「マイレージサービス」では、飛行機に乗るたびに「マイル」というポイントが貯まります。貯まったポイントは、特典航空券やホテル、電子マネーとして利用することができます。

ここでは、「マイレージサービス」の「マイル」が相続できる場合の条件について説明していきます。航空会社によっては、マイルの相続が認められない場合もあるため、注意が必要です。

マイルを相続するには

会員が死亡した際、法定相続人は、手続きの完了時点で有効な範囲で会員が取得したマイルを継承することが可能です。法定相続人は、会員の死後6カ月以内に航空会社に、故人である会員のマイルの相続権を有することを証明する書類を提示しなければなりません。

期間内に相続の申し出を行わなかった場合は、当該会員の精算マイルは全て取り消しとなります。会員本人の死亡証明書等用意しなければならないため、準備は早めに行いましょう。

マイルの家族共有

家族間でマイルを合算できるサービスを展開している航空会社もあります。家族1人ひとりで貯めていれば、特定航空券と引き換えができない中途半端なマイル数でも、家族でまとめれば、十分なマイル数になります。この家族間カードを使用できるのは、日本在住のクレジット機能付きカードの本会員、その家族で指定の航空会社の個人会員、同一の世帯や同一住所に居住している家族と一親等以内の方に限られています。

他にも、通常カードではマイルの相続ができなくても、家族会員間でマイルをまとめられるサービスに加入していれば、会員の死亡時にマイル相続ができる航空会社もあります。

生前に譲渡できるマイル

航空会社の中には、生前に譲渡できるマイルも何社かあります。
マイルを沢山貯めたものの、「病気で飛行機に乗るのが困難になった」「家族や親族、友人に譲りたい」という方も少なくありません。生前に譲渡できるマイルは、このような事情に柔軟に対応します。親族だけでなく、友人にも、自分が貯めたマイルを譲渡することが可能です。

譲渡方法も簡単で、公式サイトにアクセスして、マイルを受け取る会員の会員番号と名前を入力するのみで手続きが完了します。航空会社によって、譲渡可能な人数の制限や、手数料の発生もありますが、マイルの譲渡を視野に入れている方には、おすすめのプランです。

【重要】ポイントカード・クレジットカードが被相続人の財産の存在の手がかりになる場合も

ポイントカード・クレジットカードは、会員の死亡時に即座に解約してしまうのではなく、購入履歴等の明細や利用規約をしっかり確認しましょう。万が一、ポイントを譲渡できるポイントカードであった場合、破棄してしまったらもったいないですし、財産の中には、「負の財産」である借金も含まれます。

まとめ

ポイントカードのポイントは、多くの場合、相続することはできませんが、マイレージのマイルであれば、期間以内に手続きを行えば相続できる可能性があります。できれば、生前に使い切るか、家族カードや家族で利用できるプランを活用して、いざというときのために備えておきましょう。

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